盂 蘭 盆


 お釈迦様の弟子である目蓮尊者の母は生前の罪のむくいで飢餓道におち、もだえ苦しんでいるのを知りました。母は生前の罪が深く多勢のお坊さんの力を借りて母をその苦しみから救う事が出来、飢餓道の世界で苦しんでいる多くの人々をも救いたいと願って、7月15日に修行を終えられたお坊さん方の力を借りて御供養するようになりました、これが今日のおぼんの始まりとされております。
 亡き人をお迎えし、その方が来世で苦しんでいない様にと御供養してあげねばなりません。その方が帰れる場所がなければ帰りたくてもその「ほとけさま」はどこえ行ってよいのか迷ってしまわれます。そのような事がない様に、家庭には必ずその場所を作ってあげなければなりません。その場所が仏壇であり、お盆の精霊棚となるのです。一年に一度だけお里帰り出来るのですから家族の皆様で真心をもってお迎えしてあげるのが本当の御供養です。ご親族のあなたがしてあげなければ亡き人はきっと悲しんでおられるでしょう。
 仏壇を飾るという事は、現在私達が毎日生活出来るのもやはりご先祖さまがあってこそ、今日の私たちなのだということに気がついて、感謝しなけれがなりません。その意味でも仏壇を置き、ご先祖様をお祭りするということは大変意味深い事でもあります。お盆の仏壇の飾り方(下図を参照)を一般に盆飾りと申しますが、前にも述べました様に精霊棚が亡き人々をお迎えする棚となり、棚の上には仏膳や供物又はキウリやナスなどで作った牛や馬などを用意して送り迎えの役目を意味します。お線香や燭台、りんなどは仏壇の前に置く経机の上に置いて、常にお線香をたやさずにしておきたいものです。その両わきには、亡き人々が淋しくない様、堤灯を置き仏壇を明るくするようにしてあげなければなりません。始めてのお盆は新盆(アラボン)といって白い堤灯を軒下につるします。堤灯は亡き人々が迷わずにお里帰り出来る様にするみちびきの灯りです。ちょっとした小さな心づかいで、大きな供養となる様にご家庭でお考えいただければ幸いと存じます。
ご供養だけが「あの世」「この世」に通じるたった一つの道しるべであるのです。

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